東洲斎写楽

版元、蔦屋重三郎によって彗星のごとく登場した写楽は、わずか10か月の間に、140数点もの浮世絵を世に送り出した後、忽然と姿を消しました。正体ははっきりとは分かっておらず、今もなお謎の多い浮世絵師です。躍動的な役者絵は、ドイツの心理学者ユリウス・クルトによって、レンブラント、ルーベンスと並ぶ三大肖像画家の一人として紹介されるなど、海外でも非常に高い評価を得ています。特に「三世大谷鬼次の江戸兵衛」は、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。